いま、振り返っている。
そして記録を書いている。
大勢の人の応援と協力をいただいて出かけ、チョーオユーに登る前はもの凄いストレスがあった。両方登れなかったらどんな顔して帰ろうか?どんな言い訳を考えようか?私にしては大枚はたいたお金がもったいない・・・・など等。でもワサワサしている間に「あッ!登っちゃった」のだ。私だけでなく大勢の登山者が登頂している。シェルパ達は無酸素で30kgの荷物を背負って登っている。そしてアイスフォールにフィックスを張っている。「8200mはそんなに大げさに考えなくてもいいんだ」これが実感だった。でも登れる期間は限られている。あわよくば2座ものにしたい。シシャパンマに登る前はかなりあせっていた。プレッシャーはなかったけどあせってはいた。そしてギリギリで登頂できた。登山そのものは高度順応も出来ているしそれほど困難だったとは思わない。が、風が強くなった。寒さが増した。私が登頂した10月8日が最後のチャンスで翌日からは季節風が吹き荒れ始めた。もう登れない。そして雪原は霧がでて、風がトレースを消していた。
シシャパンマでは今シーズン2件の事故が発生している。一人はクレパスに落ちて死亡。もう一人は私が登頂して下山した日にC2とC3の間で行方不明になっている。ロシアの人だと聞いた。
気象条件やシェルパの実力、車やヤクの都合などで登れない可能性もありますが、そんなに大げさに構えなくても登れます。少なくともチョーオユーとシシャパンマは。61歳の私でさへ登れたのだから!。お金と暇のある方は気軽に出かけてください。
現在のヒマラヤ登山システムに乗っかれば誰でも登れます。多分。 記:ucon
今回でヒマラヤ山行記録を終了します。ご静聴?いや退屈な記事を読んでいただいてありがとうございました。