日時　　：06年3月11日12日
山名　　：赤岳主稜・阿弥陀北稜
参加者　：ucon、kana
記録：
1日目
横浜22:00〜平塚23:00〜2:30美野戸（仮眠）4:00〜7:30行者小屋（テント設営）8:30〜主稜取付9:30〜赤岳頂上14:15〜行者小屋(地蔵尾根)16:00
2日目
行者小屋5:30〜中岳のコル7:30〜阿弥陀岳8:30〜中岳9:45〜文三郎尾根分岐11:00〜行者小屋11:45〜美野戸15:00
記録：
1日目
平塚を夜中に出発し美野戸で仮眠。4時頃暗闇の中出発する。重荷と寝不足でもう少し疲労するかと思っていたが意外に体力温存したまま行者小屋に到着できた。
いよいよ初めての冬季登攀だ。期待と不安が入り混じる。
当初は1日目に阿弥陀北稜、2日目に赤岳主稜の予定であったが天気の良い1日目にメインである赤岳に登ることになった。
文三郎尾根をしばらく登り主稜に取付く。単独の女性（！）と2人組みのパーティーが先行して取付いていた。なんとか前のパーティーに遅れをとらないように迅速に行動しようと心に決める。しかし手袋をつけてのザイルワークが思ったようにいかない、支点をどこで取れば良いのか迷う、等もたもた時間を食ってしまった。UCONさんからアドバイスを頂きながら数ピッチ登っているとようやく多少はスムーズになってきた。頂上が近くなるにつれてガスと風が強くなってきて焦る。気温が高かったのがラッキーであった。もし冷え込んでいたら手が凍えてさらに時間を食っていただろう。
９、１０ピッチ登るとようやく頂上に到着した。頂上を踏んだときはかなりヘロヘロになっていたが最高の気分であった。去年の冬、頂上から主稜を登る人を見て「なんてスゴイ人がいるんだ！」と驚いていたが1年後に自分がそれを出来るとは。UCONさんに感謝です。
その後地蔵尾根を下りテントに帰って食事をとる。初めての食当であったがほとんどインスタントばかりで自分にとっては普段の食生活とほとんど変わらなかった。（おそらくUCONさんにはショッキングな献立だったであろう。愚痴ひとついわず食べて頂いて有難う御座いました！）
行者小屋には8張り程テントがありかなりにぎやかだったが疲れで6時過ぎには就寝。充実した一日だった。

2日目
3:30に起床して空が白み始める5:30頃出発。阿弥陀北稜を目指す。
文三郎尾根と中岳のコルへの分岐標識を超え沢を登ってゆく。トレースはあったが歩きづらく殆どラッセルとなった。雪崩に警戒しながら沢を進むと夏道と思しき鎖が出てきた。UCONさんが何かおかしいな〜といいながらもそこにビレイを取り少し休憩。すると後ろから5人組のパーティーがやってきた。どうやら自分たちのトレースを追ってきたらしい。
一息入れて出発してさらにしばらく歩くとなんといきなり阿弥陀の頂上に到着してしまった！どうやら視界の不良で北稜の取りつきを見逃してそのまま上がってきてしまった様だ。後続のパーティーもびっくりしている。しかし上がってしまったものはしょうがない、天気も悪化してきているので早速下山を開始する。
下山はこの時期雪崩の怖い中岳沢（過去に遭難者多数）を避け文三郎尾根に向かう。先程までの後続パーティーが今度は先行し、それを追うゆく形となった。するとほどなく阿弥陀から降り始めの斜面で先行パーティーの女性の一人がバランスを崩し足を滑らせてしまう。一瞬「ヤバイ！」と思ったが、すぐにその女性は滑落停止の体勢をとり５ｍほどでなんとか停止することに成功。ほっと胸をなで下ろす。やはり滑落停止は繰り返し練習しておくべきかもしれない。
自分たちは急な斜面ではUCONさんが迷わずザイルを出し、スタンディングアックスビレー等を使いスタカットで降りていった。
午後から天気が崩れる予報だったが既に頂上付近は９時過ぎから猛吹雪になっていた。視界は１０ｍ程度、時に立っていられないくらいの突風が吹き荒れるなか稜線を進む。
中岳を過ぎ次の鞍部を目指し尾根を下りていると先行パーティーが登り返してきた。どうやら道が違うらしいとの事。急いでGPSを確認するとなんと中岳から北東方面の尾根を誤って降りていた事が判明。早めにGPSで確認していればよかったと後悔。それからはGPSを見ながらUCONさんが先導し、別パーティー共々、無事文三郎尾根に到着することが出来た。別パーティーの方々からUCONさんが感謝のお言葉を頂いたが自分ももしあの局面でGPSを持っていなかったら恐怖を感じたに違いない。
後は慎重に尾根を降り、テントを撤収して美野戸まで戻った。
そして帰宅してUCONさん宅でGPSのデータをPCに落としてみてビックリ！阿弥陀まで登った沢は中岳沢だったのだ！改めてルートの確認を怠ったことを二人して反省。
貴重な経験と反省点の多い山行になった。記：kana